最近よく目にするおまとめローン、どのようなものか知っていますか?
複数から借金していて返済日が月に何度もあって憂鬱・・・そんな多重債務者の気持ちを汲み取ったのが、まさにおまとめローンなのです。まず、アナタが抱えている複数の借り入れをひとつにまとめてくれます。
簡単にいうとこういうことになります。このおまとめローンは本当にトクなのか、その真相を探ってみました。
まず、複数あった借入先がひとつになることで、今まで月に複数回あった返済日が1日だけになります。1ヶ月で何回も返済日があると煩わしかったり、忘れてしまったりと大変ですよね。それがおまとめローンに変えることで返済日は月に1度だけ。これは精神的にもかなりラクになるのではないでしょうか。
さらに1社にまとめることで借入額そのものが上がるのでその分、金利も下がります。おまとめローンは低金利を謳ってるところも多いので、総返済額も下がる可能性が高いです。
パートやアルバイトでも利用することができますし、WEBから申し込めば来店不要だったり、審査時間も短く即日融資可能なお店も多いです。借金返済で困っている人から見たらまるで夢のようなローンに見えるかもしれません。
本当にいいことばかりなのでしょうか?デメリットはないのでしょうか?
ここまでは良いことづくしのおまとめローンですが、もちろんデメリットもあります。
1つ目に借金を一本化することで「借金が減ったかのように感じる」点です。ひとつにまとめただけで1円も減ってはいません。それなのに、返済がひとつになり安い支払いになったことで安心してしまう人が多いのです。そのため、勘違いをしてさらなる借金を重ねる人が多いのが現状です。
2つ目に、審査が厳しい点です。今までの融資をひとつにまとめますから借入額がどうしても高額になりやすく、そうなると審査自体が厳しくなります。過去の返済実績も影響してくるので、延滞している場合は難しいでしょう。
3つ目に、おまとめローンは「返済を目的としたローン」のため追加の借入ができなくなる点です。もし借金グセがある場合にはこれを機にローンから手を洗うといいのかもしれません。
おまとめローンは総量規制対象外のため、さらなる借金を重ねる危険性があるという点もデメリットといえるかもしれません。この聞きなれない「総量規制」とは?いったいなんなのでしょう。
「貸金業者は融資対象者の年収の1/3を超える額の融資を行ってはいけない」と貸金業法で定められています。もし年収300万の人で例えるなら、年収の1/3は100万円になります。
つまり年収の1/3を超える借金というのは返済不能になる可能性が高いわけで、多重債務者を借金地獄にさせないためにこのような法律が存在します。それを総量規制といいます。
しかし、総量規制はクレジットカードを発行する信託会社と消費者金融による「自由な融資目的」に限られており、借金返済を目的としたおまとめローンは例外になります。そのため、おまとめローンで借金があるにも関わらず、借入が可能だからと収入の1/3以上の借金をかかえてしまう場合もあるわけです。
新たな借金をせず借金返済へ目を向けられる人なら良いですが、そうでなかった場合は悲惨な結果に繋がりかねません。
おまとめローン、賢く利用すれば上手に借金完済まで持っていけますが注意点があります。ひとつにまとめて月々の返済が安くなるということは、その分返済期間が長くなるということです。返済期間が長くなるということは、返済するたびに利息も払うわけです。
返済期間が長くなるほど利息は増えていくので、まとめる前より最終的な返済額が増える場合もあります。ここが見落としがちな点です。申し込みをする前に返済シミュレーションを行うことで払う利息総額を知ることができます。
もしおまとめローンで借金を一本化したのなら、完済したカードはすぐに解約手続きを取ったほうがいいです。完済=解約ではないので、新たに借金をすることができるためです。おまとめローンは総量規制対象外のため、その完済したカードは総量規制めいっぱい借りることができます。
これがおまとめローンの恐ろしいワナです。「使わないつもりだけどいざという時のために・・・」なんて気持ちなら即解約することをオススメします。たとえ使わないでいても信用情報にはそれが記録され続けるので、今後もし住宅ローンやマイカーローンを組むことがあれば完済時に解約しなかったことが足かせになる場合があります。
借金完済をするためのおまとめローン、さらに借金の深みにハマるようなことだけはしないでおきましょう。
被害が増えているんです。多重債務を抱えてる人は「金利が今より安くなる、借金を一本化できる」なら飛びついてしまいます。それだけおまとめローンは魅力的なものですし、銀行をはじめとした金融機関でおまとめローンが提供されています。しかし審査が厳しいのが難点。
そこに付け込んだのが「おまとめローン詐欺」です。入会金だ保証金だといってお金を振り込ませる手口が多いようです。新たに融資をさせて振り込ませたり、足がつかないよう郵送させるケースもあるようです。
超低金利と高額融資の文字、アナタのような多重債務者でもすぐに貸してくれそう・・・。藁にもすがりたい気持ちはわかりますが、一度冷静に見てみましょう。超低金利でお金を貸してその貸金業者は商売が成り立つのでしょうか?
多重債務者で返すアテもない状態のアナタに高額な融資をするメリットはあるのでしょうか?うまい話には必ずウラがあります。騙されてからでは遅いですし、騙し取られたお金は戻ってきません。
もしうますぎる広告を見つけた場合は、問い合わせをする前に会社名・登録番号・電話番号を確認してみましょう。大手に名前を似せていたり、登録番号も偽証している場合があります。電話番号が携帯電話の番号なら怪しいと思っていいでしょう。
一番の違いは、おまとめローンはブラックリストに載ること(信用情報に事故情報が登録される)はありません。残念ながら債務整理を行うとブラックリスト入りは避けられません。これだけ見ると債務整理より断然おまとめローンのほうが良いように思えます。
しかし、人によってはおまとめローンより債務整理が有利な場合もあります。長期に渡って借金返済をしていると、過去にグレーゾーン金利を支払っている場合があります。その場合、債務整理を行う際に利息制限法に基づき引き直し計算をすることで過払い金を回収することができます。
しかし、これを知らずにおまとめローンをしてしまうと後で過払い金の存在が発覚しても回収することができません。なぜか。それは複数あったアナタの借金をおまとめローンの会社が一旦全額支払ってしまうためです。
さらにおまとめローンで支払いが安くなるのも返済期間がその分伸びているだけで、決して借金が減ったわけではありません。その分の利息も払い続けなくてはならないのです。しかし、債務整理の場合は利息や延滞損害金をカットすることもできるので返済がより近くなります。
いかがですか?おまとめローンと債務整理の違いが分かったでしょうか。一番の違いはブラックリストに載るか載らないかだと思いますが、それ以外にも違いがありましたね。
どちらが良いかは借金を抱える人それぞれだと思います。そのためにもしっかり事前に情報を知ることが大事です。多重債務で苦しんでいるからといっておまとめローン詐欺の餌食になるようなことだけは避けましょう。
自分を守れるのは自分自身だけです。目先のお得感や甘い誘惑に騙されず、長い目でみたときに借金完済に有利である支払い方をしていきましょう。