「このままじゃいけない」と分かってはいるけど「次こそ勝てる!勝ったら返せる」と借金を重ねて、ドロ沼になってきたのではありませんか?
確かに、勝った時の爽快感に勝るものはありません。しかし、勝てると踏んだ勝負に負けてしまうと、倦怠感が半端なくてなんのヤル気もおきませんよね。勝っても負けても、残った借金は返さなくてはなりません。
ギャンブルで膨らんだ借金を解決させる手段として「債務整理」があります。返すことが難しくなった借金を債務整理で片付けてしまいませんか?「ギャンブルで作ったものだから」といって引け目を感じる必要はありませんよ。
ギャンブルといっても、競馬・パチンコ・スロット・麻雀・オートレースなどさまざま。しかし、どのギャンブルであろうと借金をしてしまえば同じこと。ギャンブルが引き金で膨れた借金を解決する方法として債務整理があります。
債務整理とは、払えなくなった借金を整理して解決することをいいます。
債務整理には任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4種類があり、その人が抱える状況に応じて選ぶことができます。
弁護士・司法書士が借金に悩んでいる人に代わって、借金の減額や分割支払いなどができないかを、借金先の金融機関へ交渉してくれるもの。
ここ最近は、借金の総額がぐんと減る過払い金請求とセットで依頼する人も多いです。
裁判所の調停委員を挟んで、借金先の金融機関と借金を持つ人とで交渉するもの。
任意整理と違い、弁護士・司法書士に依頼せず行うこともできますが、それなりの知識と準備が必要になります。
借金が5000万円以下(住宅ローン除く)で返済能力が認められている場合に限り、3年以内に返済することが条件となりますが、借金を減額することができます。
個人再生は、マイカーやマイホームを手元に残して行える方法です。
今ある借金を帳消しすることができるので、自己破産すると借金を返す必要がありません。ただし、手元にある財産んも没収されます。そして、自己破産ができるのは裁判で認められた場合だけ。
ギャンブルが原因だと自己破産できない・・・なんて噂も聞きますが、実際にはどうなのでしょう?
自己破産はお金を貸した側にとっては大損もいいとこ。
そのため、自己破産が認められない不事由事項というものが存在しています。それに該当している場合、自己破産は認められません。その不事由事項を簡単に要約すると
などが挙げられます。
お分かりの通り、実はギャンブルも不事由事項に該当しているのです。
ただし、この中のどれかに該当していたとしても、必ずしも認められないわけではありません。というのも、裁判所が他の事情も合わせて考慮した場合、裁量免責といって認めてくれるケースもあるのです。
具体的には、どういう理由で破産に至ったのか、生活状況や精神面、本人の反省や更生に向けての姿勢が反映されます。
ですので、もし支払いが困難な借金の原因がギャンブルだったとして、自己破産をハナから諦める必要はないのです。ほんの少しの可能性でもやってみる価値はあります。
ただし、裁判所によっては全額免除ではなく一部免除という判断を下され、残りの借金を支払わなければいけないことも考えられます。しかし、それにしたって、今ある借金から減額されるわけですから、一歩解決に近づくことができます。
もし、破産によって借金が免除になっても、次のものは非免責債権といって支払いがチャラにはなることはないので、留意してください。
※離婚による慰謝料は、慰謝料の原因が「悪意で加えられた不法行為」=不倫やDVなどが、該当します。
自己破産できる借金の金額に目安というものは存在しません。借金の金額より、重要視されるのは月々の収支です。
もし、毎月の給料が同じ20万円でも、返済額が2万円の人と8万円の人とでは貧困さが違いますよね。返済額が2万円なら、他の生活費と合わせても問題なく返済していけそうです。しかし、8万円ともなると生活もカツカツ。
このように借金だけでなく、収支とのバランスも関わってくるため、一概に「借金がいくらあれば自己破産できる」とは言えないのです。
基本的に借金は個人に対して課せられるものですから、血が繋がっている家族でも関係はありません。しかし、例外が2つあります。
それはマイホームが自分名義の場合と、家族が連帯保証人になっている場合です。
自己破産してしまえばマイホームは競売にかけられてしまいますし、連帯保証人には借金を返済する義務があるので、家族には返済する義務が生じます。
また、自己破産をすると10年近くはローンもクレジットカードも作ることはできません。直接的に家族には関わってはきませんが、家族計画のなかでローンを組む必要が出た場合には、問題になることもあるでしょう。
さて、どの債務整理を選択したとしても、ギャンブルが原因で借金を重ねてしまう人の場合「借金」だけを解決すればいいものではありません。
借金と同時にギャンブル中毒も改善していかなければ、繰り返す可能性が極めて高いのが特徴です。根本的な解決を目指すためにはどうしたらいいのでしょう。
厚生労働科学研究班が2014年に発表した推計によると、日本でのギャンブル依存症の疑いがある人は500万人を超えています。
日本の成人の約5%に該当している計算。この数字は世界的にみても飛び出ており、日本人がいかにギャンブル中毒に陥りやすいかがわかります。
なぜ、ギャンブルが引き金となって借金を重ねてしまうのか。それは、その人の「心が弱い」からではありません。脳の仕組みに原因があります。
ギャンブルにハマる人は、脳内の神経伝達物質である「βエンドルフィン」や「ドーパミン」が過剰分泌されているのです。
βエンドルフィンは、モルヒネと似たような効果をもっており、鎮痛効果が高く精神的・肉体的ストレスを和らげる働きがあります。
また、性行為やおいしいものを食べた時など、気持ちが高揚したり幸福感が得られるのも特徴。マラソン選手が起こしやすい「ランナーズ・ハイ」にもこの物質が関わっています。
ドーパミンも同様に、人が気持ち良いと感じる時に分泌される物質で、分泌量が多いと共依存や恋愛依存などの障害を起こすことでも知られています。
さらに、ヤル気を引き出す働きもあるため、中毒化を進行させる面も。タバコを吸うとリラックスするのも、ドーパミンが関わっています。
どちらの物質も中毒性が高いことから「脳内麻薬」という呼び名がつけられるほど。
説明した通り、ギャンブル中毒に陥る人は「気持ち」ではなく「脳」が中毒化しているために、やめたいと思っても簡単にやめられるものではありません。
ギャンブル中毒者の大半が、やめたいと思いながら続けているのが現状です。
もし、借金や家族のために、本気でギャンブルから手を洗いたいと思っているなら、専門外来に行って薬や入院で治療するのが最善の方法です。治療ですので、当然治療費がかかります。
ギャンブル中毒はれっきとした進行性の病気です。心の弱さが露呈したものではありません。病院に行くほどでは・・・などと恥ずかしがっていては、治りませんよ。
日常生活が破綻してしまうその前に、チキンと治療してギャンブル中毒から卒業してしまいましょう。大丈夫、人生にはギャンブル以上に楽しいことがたくさんありますよ。
以上のように、ギャンブルによる借金は、借金の返済だけでなくギャンブル中毒に向き合うことも大切。
冷静な目で見ていれば理解できることですが、ギャンブルというのは「負けることが前提の勝負」に他なりません。
パチンコ・競馬・麻雀・・・どのギャンブルにおいても、賭けるたびに賭け金の20%近くが徴収されてしまうのですから、やればやるだけ損をする計算になります。ここでもし「でも勝てば・・・」という気持ちが沸き起こるようであれば、間違いなくギャンブル中毒といえるでしょう。
ギャンブル依存を治さないことには、また要らぬ借金を重ねてしまうだけです。目を背けず病気と認識することが治療への第一歩といえるでしょう。
しかし、借金の返済も怠るわけにはいきません。
借金問題をいち早く解決させるためには、やはりその道のプロである弁護士、もしくは司法書士に相談をすること。
重い腰をあげるのには力がいりますが、借金をそのままにしていては、なんの解決にもなりませんよ。まずは明日から変えてみませんか?